卯山

竜とそばかすの姫の卯山のレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
5.0
久々に感想を書きたくなった作品。
(作品の好き嫌いは別れそう)

細田監督作品は、時をかける少女とサマーウォーズが好きだけど、これは3番目に好きだ。
最近の作品は、何となくまとまりがなく、観賞後もぼんやりしていて印象に残らなかった。
でも、この作品は細田さんのやりたいことが形にできている感じがする。"想い"が伝わってくる。こういうものが作りたいと、ストレートに。

ストーリーはツッコミどころあるけど、歌と映像が本当に良くて、難しいことを考えることはどうでもよくなった…。それぐらい素晴らしかった!叶うのなら、ずっと聴いていたい。
(力のある歌声にずっと殴られっぱなしだった)

ディズニー映画で描かれるようなカラフルな世界観も非常に良い。作品へのリスペクトを感じて、気持ちがいい。不快な気持ちにはならなかったし、日本のアニメ映画として観た時に挑戦的なことを沢山していて、新鮮に感じた。

竜のキャラもかっこよくて可愛い!
監督はやっぱり魅力的な美少年を描ける人だなと羨ましくなった。

正直、観る前は半信半疑だった。動画サイトで聴いた歌がとても良くてどうしても観たかった!
あまり期待しすぎないようにしていたけど、不覚にも劇場で結構泣いてしまったよね…。

できることなら、是非もう一度観に行きたい。
歌と映像に圧倒されるあの体験をもう一度したい。不思議な魅力に溢れる、素敵な映画だった。

(追記)
改めてAmazon Prime Videoにて3度鑑賞。
役所さんのお父さん役がとてもよかった。台詞も好きでした。「その人に優しくしてあげなさない」泣ける…。
過去の家族映像にもきちんとお父さんが出ていて、控えめだけれど家族を大事にしてたんだなと思った。

恵くんのお父さんとの対比もすごい。お父さんという存在はキーパーソンだと思った。2人ともお母さんがいないという点で、一方の家族は怒りや悲しみにのまれてしまったんだなと思った。大事な人を亡くしてしまって"傷ついた心"がテーマなのだと理解した。

観れば観るほど、考えれば考えるほど、鈴のお父さんが良い味出してる素晴らしい作品でした。家族のストーリーはやっぱり良い。

(更に追記)
UHD-BDにて鑑賞。映像美と音楽の暴力が凄まじかった。極上の映像体験でした。
何度も見たくなる良作です。素敵な作品に出会えて良かった。
卯山

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