このレビューはネタバレを含みます
ネットの評価なんてあてにならんわ!と思った作品。公開当初の批評を真に受けず、映画館で見ればよかった。
テーマが一貫していてとてもよかった。一見細々と散らかって見えたことも、最終局面で伏線回収してよかった。
けいくんとともくんのお父さんは社会的地位が高くて、理想も高くて、心理的な虐待をしてるってわかってないんだろうなぁ。少なくともあの兄弟がネットを好きにできて、あんな城立てて、AIを複数従えてる(多分重課金)のは、お父さんの金銭的援助がないと無理だろうし。殴ってる描写ないので、あの兄弟に命の危険はなかったと思われる。
言葉の暴力で受けた傷は目に見えないから(ネットの誹謗中傷も同じ)、周りも「いいお父さんね」って放置して、けいくんは人間不信になったんじゃないかな。
最後すずを殴れなかったのも、殴ったことに対して失うものの大きさとか、体面とか、そういう保守的なことを理由にして逃げたんだと思う。ご都合展開じゃなく。
だからあの兄弟に必要なのは、あくまでも心の救済。児相とか行政的なものではなく、自分のために素顔をさらして、遠くまで駆けつけてくれる存在を求めてたんだろな。
久しぶりに観てよかった〜と思える映画に出会えたので、この気持ちを大切にしようと思う。