夕方5時のチャイム

竜とそばかすの姫の夕方5時のチャイムのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

サマーウォーズがジャンプなら、これはディズニー。
令和解釈、シン・美女と野獣


サマーウォーズと似てるは事実
映像美と最高の歌の相乗効果は神
主人公が亡き母親を理解し、自分を好きになるのは良かった
ストーリーは普通
クジラ好きすぎ
獣人好きすぎ
美女と野獣すぎ
自警団はネットの私刑を具現化した存在的な感じ?
虐待父親の最後は微妙
ミュージカル苦手民には無理かも


 Uという自分に似たアバーターを使う仮想現実が爆発的に流行ってる世界、ということでとてもサマーウォーズに似ています。が、それだけでこの映画を否定するのはバタフライエフェクトと同じ設定の作品をそれだけで否定するようなものです。それはナンセンスなので、これ以上それに関しては突っ込みません。
 「第二の人生を謳歌する仮想世界を通じて、現実の自分も成長する」という内容であり、かなり分かりやすくシンプル、且つちゃんと面白かったです。主人公が後半かなり無鉄砲になりますが、他人の子供を助けるために自らの命を投げ出す母親に似たとすれば、まあそうかって感じで私は納得しました。では、そんな本作とサマーウォーズとの大きな違いは何か。歌パートの量です。歌パートは主に主人公が歌うのですが、その歌声も曲自体もとても良く、リップシンクや周りの動きなどの映像にもすごく力が入っており、私的にはすごく良かったです(私は一番最初の歌パートが一番好き)。しかし、人を選ぶほどには歌パートがありました。
 歌パートの全くないサマーウォーズに比べ、ミュージカル映画ほどではないですがそこそこ歌パートがある本作。故に二つの作品をジャンプとディズニーに例えた(美女と野獣感もすごかったし)わけですが、ミュージカル映画が嫌いな人や、歌パート多めな映画が苦手な人にとっては観るのを憚られるものだと思いました。
 ここまでほぼ良い点を挙げてきましたが、一点だけ気になったこと。虐待父親が主人公の目を見て狼狽するシーンは分からん。あんな顔の肉がえぐれるほど主人公の顔を掴むやつなら、そのまま殴り殺してしまいそうと思った。

 前評判ではそこまでの印象だったが、普通に面白かったし、一番最初の歌パートは震えた。サマーウォーズとほぼ同じ設定ということで設定に関しては新鮮味はないが、良い映画だった。


追記
冒頭3分はやっぱ最高。めっちゃ引き込まれる。この部分は何度も見返したくなる。MVもあるのは知ってるけど、これはまた別の作品としてすごく完成された3分だと思う。
あと、5人の賢者とか言ってたなって冒頭を見返して思い出した。ここの深堀も欲しかったな。