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昨日消えた男のFrengersのレビュー・感想・評価

昨日消えた男(1941年製作の映画)
4.0
顔のアップ、視線を合わせていく冒頭の人物紹介から「なるほど、なるほどねぇ」「その通り」と徐々にそれぞれの関係性や状況が雨から晴れるように明らかになっていくというだけのプロット。「言葉を反対の意味で受け取ればよい」というセリフ、若しくは小刀を投げる、嫌味な顔をするのも後半に反転する。
小津安二郎的室内のショット、クレーン、横移動とカメラワークの多彩さも見事だが、何よりピン送りがカッコ良い。前景と後景の行き来、人物に一人ずつピントを合わせていく事で浮かび上がる、視線とそれぞれの男女の関係性の並列・差異も際立ち素晴らしい。ちょっと『どですかでん』を思い出したり。
『グラス・オニオン2』もこの位の出来ならと思うものの多分無理だろう。ミステリー、サスペンスのジャンルとしても出色の内容。
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