Yoshishun

シティーコップ 余命30日?!のヒーローのYoshishunのレビュー・感想・評価

3.6
“ド定番フレンチコメディ”

フランス実写版『シティーハンター』を大成功に導いたフィリップ・ラショー率いるコメディ集団による、これまたお馬鹿なポリスコメディ。
下劣さや倫理観の無さは本作でも健在だが、今回は監督がフィリップ・ラショーではない分、やや控えめか。

余命僅かな男が、老い先短いのを見越して命知らずな行動に出るという下りは特に新しくはない。三池崇史監督が撮ると、天才ボクサーがヤクザの抗争に巻き込まれたりする。本作は、どうせならということで、出たとこ勝負で親父を殺した麻薬密売人を逮捕するという内容だ。

中盤の赤ちゃんを使った危険過ぎるドタバタや、やたら子どもに手厳しいいつものフレンチコメディらしさが全面に出ており、またフィリップ・ラショーは主人公以上に間抜けな役柄で、途中で女性化してしまうというぶっ飛び具合。
しかし、ここまで主人公以上に阿呆なせいで、肝心の主人公のキャラが弱いのが難点。屋上から飛び降りて無事かと思いきややっぱり無事じゃない下り以降は、普通に捜査しつつたまに軽いボケを挟むくらいである。更に言えば、余命僅かであるという設定で思う存分ハッチャけるはずが、後半はその設定さえも忘れてしまったかのように普通に。

やはりフィリップ・ラショーには監督まで兼任している作品の方が笑えるし面白く感じられる。本作はややパンチが弱く、無難な面白さに留まる。
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