LuckyMOTOMIYA

クライモリのLuckyMOTOMIYAのレビュー・感想・評価

クライモリ(2021年製作の映画)
3.5
2021年、マイク・P・ネルソン監督、アラン・B・マッケルロイ脚本によるホラー・スリラー。

2003年に始まる『クライモリ』(Wrong Turn)全6作シリーズのリブート版、その記念すべき第一作目の脚本を担当されたアラン・B・マッケルロイさんが本作の脚本もご担当。

アメリカ合衆国東北部、アパラチア山脈を訪れた都会っ子、三組のカップルを襲う惨劇。

2003年の『クライモリ』は理性を欠いた食人族との闘いを描いた作品でしたが、本作リブート版の主人公の前に立ちはだかるのは、理知的な指導者の率いる共同体"Foundation"という点で、全く装いの異なる作品。

森林の中で丸太が他の樹木に邪魔されず、そんなに一直線に転がり落ちるのかとか、序盤からご都合主義的な展開が見られますが、そこを気にしていては楽しめません。

将来の進路を思案検討している主人公の若き女性ジェンが選び取った進路、その恋人ダリウス君が選び取った選択、ジェンの御父上スコットさんの健気な戦い、森林の奥で脈々と継承されたコミュニティ"Foundation"と現代の資本主義社会などなど、興味深いテーマにあふれた作品です。

最後の最後まで予断を許さない展開も好感が持てます。ダラダラしすぎとの誹りは免れないかも知れませんが、ワタクシ自身は心底、楽しませていただきました。

2003年の『クライモリ』との比較考証や優劣の価値判断は、全く趣きの異なる作品のため避けたいと思います。
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