BOB

U・ボート ディレクターズカットのBOBのレビュー・感想・評価

4.0
潜水艦映画の金字塔と言われる(西)ドイツ映画。

ドイツ軍乗組員たちの経験する閉塞感、緊迫感、疲労感、恐怖、絶望感を共有できる傑作。ヒリヒリした緊張感が続き、とても長く感じた。本作に関してはこれが正解。

頬は痩せこけ、目は充血し、髪や髭は伸び放題になっていく乗組員たち。画面越しでも壮絶な潜水艦内の生活が伝わってきた。

当時の潜水艦のスペックに驚いた。平常時は水上を航行していたり、レーダーではなく目視と音を頼りに敵艦の位置を把握し、魚雷を発射していたのだと。

反戦メッセージを印象づける見事なラストカット。ナチスは絶対悪の代表格ではあるが、兵士たちも人間であり、戦争における1つの駒にすぎなかったのだと痛感させられた。戦争に勝者なし。

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