クリーム

U・ボート ディレクターズカットのクリームのレビュー・感想・評価

4.1
長いけど、退屈なんかする暇無かったです。当時の潜水艦の細部に渡るまでリアル。見逃したくなくて、目をバッキバキにして観ました。狭い艦内に47人、想像しただけで、目眩と吐き気がする。そして、凄まじい緊張感の中、敵の襲撃をじっとやり過ごしたり、爆雷の衝撃による浸水や故障等、次々起こるピンチにハラハラします。最後まで、手抜きのない戦争映画でした。これは、傑作。

第二次世界大戦、フランスの軍港から、ドイツのUボート·U96が出航します。 艦長以下47人。兵士達と1人の従軍記者が乗り込み、任務は、敵艦補足後、魚雷で敵輸送船を沈める事でした。
敵空軍機と遭遇し、輸送船団との魚雷戦、そして駆逐艦からの爆雷攻撃と次々に窮地に追い込まれて行きます。果たして、生還する事は可能なのか…。



ネタバレ ↓



凄まじい艦内は、47人に対してトイレは1つ。敵が現れるまでは、する事もなく、食べてトイレをする。殆どの兵士達はずっと狭い艦内から出ません。観ていて息苦しさを感じ、悪臭まで伝わって来る。ウッ…、観ててエズきます。そんな中、羽目を外しドンチャン騒ぎをしたり、下半身のケジラミが流行したりします。そして、突然、雷撃を受けそうになり、慎重に深く沈むも雷撃を落とされ、艦体も兵士達もダメージを負います。
また、水圧による恐怖もリアルでした。敵のみでなく、水圧とも戦います。限界に達すると金属ボルトが吹っ飛び、浸水する恐怖が凄まじい。
魚雷を発射させ、2隻も仕留めたと笑う艦長。しかし、爆雷を落とされ、艦内はボヤで二酸化炭素が充満し、依然としてピンチなのに艦長だけが妙なテンションになり、機関長はパニックになります。そんな中、敵船ばかりの地中海へ行けとの命令が下ります。
スペインで補給をし、機関長と記者を下ろそうとしますが却下され、再び出た指令は、ジブラルタル海峡を突破してイタリアに向えという。
爆雷の打撃で操舵不能となり水圧限界深度を越え、とうとう海底に着座。何とか修理をし、生還するのですが、戦艦から降りようとした瞬間に空からの襲撃にあって、何人生き残ったのか…。

乗組員達は、敵だけでなく、海中にいると言う恐怖や壮絶な艦内の生活によるストレスとも戦い、それらがどれだけ過酷な状況なのか、この映画を観れば一瞬で理解する。爆雷がある度にハラハラし、駆逐艦をやり過ごす時には息を潜める。臨場感に溢れ、体験型の様な作品は、息が詰まる思いでした。そして、せっかく、生還したのに空爆。これが戦争と言うものだと、まざまざと見せつけられます。凄い作品でした。観て良かったです。

*こたつムービーさん、ありがとう♪︎
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