あまりにも有名なギリシャ悲劇「オイディプス王」の映画化。原題も「オイディプス王」であり、「アポロンの地獄」というひねった邦題はいまいちだと思う（アポロンとは「父を殺し母と子を作る」と神託（予言）を告げる神様で映画では名前だけ登場）。普通に「オイディプス王」を映画化したら真面目な悲劇になりそうだが、太陽と荒野の迫力あるロケーションやオリジナリティの強い衣装など、パゾリーニ監督の才気あふれる映像が素晴らしい。「スター・ウオーズ」がギリシャ神話をベースにしていることは有名だが、映像的には今作の影響を強く受けているのではないか。冒頭とエンディングだけ舞台が現代となり、パゾリーニ監督自身の人生を投影しているとのこと。このパートがやけにセンチメンタルな映像で印象深かった。
奇跡の丘 （1964年）
アポロンの地獄（1967年）
テオレマ （1968年）
豚小屋 （1969年）
王女メディア （1969年）
ソドムの市 （1975年）
