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アウシュヴィッツ・レポートのmhのレビュー・感想・評価

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ヴルバ・ウェッツラー報告書もしくは、アウシュヴィッツ議定書という名前でも知られている報告書が題材。
アウシュヴィッツから脱走するまでを緊迫のドラマにしたのが前半。実話ベースとはいえ、サスペンスを盛り上げるための演出がちょっと気になる。
後半は脱走後の世界。
ポーランドの隣国チョコスロバキアまで逃げてくる。
動けなくなってひとに見つかってそれがレジスタンスの家族だったのがすごい幸運なんだけど、そこは別に強調してなかった。
チェコスロバキアのユダヤ人評議会の説得に成功して、少しずつ世論が変わってくる(いくつもあったはずの)はじまりのひとつ。
直接的には、矢十字党が政権執る前のハンガリー政府を動かして、ユダヤ人の移送を停止に追いやっている。
これ、前から疑問だったんですよ。なんで、ハンガリーからの収容者は生かされてることが多いのか。映画だと「フェイトレス~運命ではなく~(2002)」あたり。
つまり、命がけの告発者の行動に意味があったということなのだった。
チクロンBが使われていることも把握してたらしいいっぽうで、ユダヤ人の移送を手伝っているドイツ赤十字のなにを信じているのか不思議だった。
逃走中に画面が横倒しになる演出がある。これはどうも、視点人物の苦しさとか痛みを表しているようなんだけど、脱走が成功したあとだったら適切な演出ではないんじゃないかなぁとか思ったりした。
地面から頭だけ出るように埋めたひとたちの上で、乗馬のギャロップとか、唐突に出てきたのも意味わかんなかった。
たぶんテーマとは無関係のプロットだったから浮いてみえたのだろうと分析する。
面白かった。
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