いつもいっちゃん

スペンサー ダイアナの決意のいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
パブロ・ラライン監督の最新作。
ダイアナ妃の史実に基づいた寓話。
「ジャッキー ファーストレディ最後の使命」でもストレスフルな女性を描いていましたが、今作は少し違うアプローチ。

クリステン・スチュワートがアカデミー賞主演女優賞ノミネートされてましたが、こっちが受賞すべきと思うくらい素晴らしい演技。
鬼気迫るほどの息苦しさと繊細さのある演技は魅力的。そしてクリステンにしか表現できないダイアナ像がありました。
画作り、映像はすこぶる美しく、少し狂気的な演出も不穏さを醸していて目も嬉しいし映画にも没入してしまいました。
撮影がインパクトがあり、どこか優しい色の映像が印象的。
キャストもサリー・ホーキンスも素晴らしいし、ティモシー・スポールが味がありました。
真珠のネックレスの使い方も印象的で、ダイアナに纏わりつくものとして見る側も窮屈さを覚える。
ドロドロした物語をイメージしてましたが、視点はダイアナの生きる道についてであり、思いの外、映画の後味が良い。
寓話にしたからこその映画的なスッキリ感があり、史実に基づいた上での物語が展開されるのが新鮮。
ジョニー・グリーンウッドのスコアが最高オブ最高!
皇室間の人間関係のもつれや、夫の不倫を主軸にしなかったことでより一人の女性の物語として観やすかったです。
良作。

しかしアカデミー賞からかなり時間が経っての日本公開。遅すぎ!!