都部

アフリカン・カンフー・ナチスの都部のレビュー・感想・評価

2.3
冒頭より容赦なく叩き付けられる設定の奇天烈さに対して、発端過程結末と物語としての三幕構成が堅実に置かれているタイプの作品で、それなりに見れるC級映画。気の衒った設定はあくまでもパンチライン程度に留めて──その程度かはさておき──やりたい画作りに忠実な作りは悪くない。ただその生真面目とも言える構成の安牌さが、この手の映画の強みとなる突出した個性を丸くしている部分があるのもまた事実か。

C級〜Z級映画に見られる不謹慎さを伴ったジョークが好きなのでその点はまるで物足りなかったが、相応のカット割や殺陣によるアクションの見映えはそれなりで、作品の主軸であるカンフーバトルを楽しむことが出来るのは良いように思う。中盤の珍妙な修行の数々も往年のカンフー映画を思わせるというものだ。ただ終盤の武道大会から全体的にダラダラとした進行で、派手なトドメのシークエンスが挟まるため画として退屈な訳ではないが、律儀に毎試合の尺を取ることで話が間延びしている。

予算や規模を考えると映画としての不平不満は本当にその位で、序盤〜終盤に掛けての煩わしさを過度に感じすぎない程度のネタの采配だったり、そういうものとして見る分にはなかなか楽しい映画かもしれない。
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