よもぎ

カラーパープルのよもぎのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
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ミュージカル作品の映画化、だけど未見事前知識無しの鑑賞。
苦難に次ぐ苦難の人生を生きた黒人女性の半生。

まず何よりも、歌とダンス、ミュージカルパフォーマンスの完成度力強さ迫力が素晴らしい。冒頭から圧倒される熱量。
何となく予告で観ていた感じ、黒人である部分というのが主人公セリーの苦難の主な要因かと勝手に思ってしまっていたけれど彼女を虐待し虐げ自由と最愛の妹を奪い罵倒し殴り閉じ込め絶望させていたのは尽く同じく黒人の父であり夫、人間の皮を被った化け物の様な男達だった。

いやマジで性別男クソしか居なかったが?????後半明かされる事実でおぞましさは多少軽減したものの開始数分にして血が凍る様な父(仮)の所業から、奴隷か家畜の如く女を扱う心底ドン引きするミスタークソ(夫)…。息子も終盤持ち直したものの途中のお前にはガッカリだよ感が凄まじかったし、流石ミスタークソの息子…。
登場から終盤まで脳内でアゴジェの戦士(by『ウーマンキング』) 達による「Kill him ! Kill him !」の大合唱が止まなかった程のミスタークソによるクソの所業。
最後ちょっとは役に立ったから結果殺さなくて良かったものの何赦されて和解した空気出してんだそれっぽっちで貴様の罪が許されると思うなお前は100回死んでも地獄行きだクソが😇🖕🖕🖕🖕🖕🖕みたいな終始中指立てて観ていないと正気を保てない程のクソによるセリーへの鬼畜の所業の数々があまりに酷過ぎて「人権…………」って何度も頭をよぎったし腸が煮えくり返るというか折角の舞台持込みのパワフルで迫力たっぷりの歌とダンスのパフォーマンスへの感動も押し退けるレベルというか正直直視するのも辛かった胸糞前半…。

でも中盤セリーの前に二人の女性シュグとソフィアが現れてからの女性同士の連帯によるエンパワメントの流れが本当に胸が熱くなったし、それまでの辛い場面の連続にソフィアの力強い「Hell No !」でボロ泣きしました…。つよい…すき…。
シュグも素晴らしくて映画館のシーンのロマンティックから最高のスパダリでした…お陰様で食卓のシーンの爽快感が凄まじかったしセリーがナイフ持った途端「殺れ!」とばかりにミスターの両手抑えに掛かってたシュグさんを見逃しませんでしたありがとうございました…。ソフィアほんとすき…。
セリーとシュグもセリーとソフィアも、それぞれがそれぞれに立ち向かう力を与えているあの関係性がとても良くて、本当に尊さが凄かった…。一生一緒に居てくれや、の気持ちが凄い(ミスターは半径100km位離れたその辺で苦しみながらお野垂れ死に下さい)。
最後はちょっとご都合主義感&キリスト教っぽさが強めにあったものの、ネティーとも家族達とも再会出来て大団円。めでたしめでたし、という感じで纏まりも良く、(ただそこにミスタークソ、貴様が並ぶのは優しさの権化セリーさんが許しても俺が許さねぇ絶対に、の個人的遺恨は残りましたが)良い作品だったと思います。
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