ベストセラー小説がスピルバーグ監督により映画化され、その後ミュージカル舞台としてヒットし、そのミュージカル映画版が本作品。小説はストーリー、映画はビジュアル・音響によるリアリティ、ミュージカル舞台は音楽とパフォーマンス、ミュージカル映画はリアリティとファンタジーの融合具合。それぞれの重心が異なるだけにストーリーの重みや細やかさが異なります。人種差別に加えて女性の人権無視、蔑視、虐待という悲惨な状況がリアルに描かれているだけに急に踊り出すミュージカルシーンとのギャップが余りにも大き過ぎ、本来なら楽しむべきミュージカル場面に没入することが出来ません。ミュージカル映画としては失敗と言わざるを得ないのではないでしょうか。ストーリー、役者、R&Bの楽曲全て素晴らしいのですが、残念。ミュージカル映画はつくづく難しい分野です。
