anguish

スーパーノヴァのanguishのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
3.0
TSUTAYA先行(2021.12.22)

「失うのが悲しいならそれは良きものだったのさ」

★ピアニストのサム(コリン・ファース)とライターのタスカー(スタンリー・トゥッチ)の熟練カップルのその冬の一場面。情緒的で緩やかに異性愛者に置き換えても成立する物語、同姓である特記したことはない。何時でも傍らに居るのが当たり前、朝起きれば「おはよう」と声がする。互いを思いやるが故に傷つけ不安になり悲しみに暮れる、それが正しいと言う答えは無い。

「答えはすべてあなたの中にある」正解を示してくれるほど優しい物語ではありません、この映画に幾許かの救いを求めて見る人もいるのかも、もう過去で「私の選択は?」と思う人もいるかも。凄く綺麗に映画という枠内で作られています。見る人が嫌な気持ちにならないようにそして思いやる気持ちの果ては…と予定調和を脱線することなく幕を引きます。これ以上を描く事は難しいでしょう、もっと主人公の背景的にピアノの旋律然り、物書き的なエピソードも盛り込まれていませんし泣くに泣けない、表層をなぞっただけのように感じました。ラストも当たり障りの無い楽な想像の範囲内でしたね。胸の奥から搾り出すような嗚咽を楽しみにしていたので落胆しました。

Digression:オープンニグの余韻から一場面から始まるがやおい的には逆だよねと無粋な事を思う、意外にもコリンの方が上背があるのは驚く。コリン・ファースはコリン・ファースしか演じられず演じたらコリン・ファースになる役者、ジョン・マクレーンのオファーは来ないだろうけど演じたら「コリン・ファース」になると思うよ、安定してて好きな俳優です。

スタンリー・トゥッチのミッシング・リンクはマーク・ストロングになります。

20220111-22(017)
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