OKkyn

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のOKkynのレビュー・感想・評価

4.5
やっぱすげえなあ大島渚。
1983年にこの映画をつくったのか。戦闘シーンのない戦争映画。
個人としてはいいけど、集団になると狂っていく日本人がエリート将校の坂本龍一、たたきあげですぐに暴力をふるうタケシを筆頭に描かれている。

坂本龍一のすごみ、そして愛への目覚め、たけしの暴力性とともにある純真さ、つぶらな瞳。

デビットボーイの曇りなき瞳、そして両頬へのキス。死んだ人を弔うこと、歌うこと、花を食べること、守ること、後悔をしないこと。

個人と国家など、戦争の功罪はいろいろあるけど、人と人が自由に会うことができないこと。そんなあたりまえのことができない、その純粋なおかしさをうわまわりながら、暴力とか切腹とか、懲罰とか、日本人の集団発狂とか、獣だけど無垢なたけしの笑顔とか、デビットボーイの美しさとか、わざと下手に歌う歌とか、たまらない。
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