お金ががかってる壮大な映画だなあ。
ベルナルドベルトリッチらしい光と影、空間のぬめりとした情緒、スケール感。
坂本龍一、甘粕の顔にかかる陰影とか、なにかをたくらんでいるかのようかな腹黒さは存在感半端ないのに、台詞を口にしたとたんの残念感。中盤までは寡黙な将校?だったので、それをつらぬけばよかったのにと思った。
これに比してやっぱジョンローン上手いなあって思ってしまった。あたりまえか。
ラストシーン、紫禁城で少年に「かつてあそこに座っていた」証拠を見せるために皇帝の椅子にむかった溥儀が見せる笑顔で少し救われた。かつてよ皇帝は腰の曲がったガーデナーとして生きた。
中国の、時代の移り変わり、真っ赤っかな毛沢東、孤独な少年、皇帝への固執、愛の渇望。
甘粕と東洋の真珠、てつなぎエロかった。
初見だけど、甘粕の光と影とか、ラスト紫禁城に入って宝物をみつけて消えるシーンとか、ところどころ知ってるシーンがあったのは流し見をしていたからか。
あ。音楽は坂本龍一とともに,デビットバーン感がなんからなかった。どのあたりだろ。
はためき、きらめく、ぬらぬらとした布ワークがよかったなあ。幼少期の黄色の先の紫禁城広場、宦官たちとのシルエット遊び、そしてベッドのシーン。「シーツの下にいらっしゃい」って、3人の凹凸だけのベッドの表現。どうなってんのーーー?!と想像がかきたてられる。ベルトリッチ。