酸化

茲山魚譜 チャサンオボの酸化のネタバレレビュー・内容・結末

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

流刑された先で出会った信念を曲げずに粛々と学び、楽しみ、誰かに慕われる主人公たちの姿がいきいきとしつつも、生きる苦しみ、困難、役人に振り回される民と肥えるばかりの人々という身分の違いにどう向かって生きるのかがたくさん映されていて見ているだけでもとても楽しかったです!
思想を交わし合う中にも、宗教と国、王と民という概念を理解しきれずに主人公たちが悩み合う間から、日常と学問が重なり合い、思索とは日常があってから生まれ、日常から悩み考えることから深い思索をでき、誰かを想ったり、何か(国や集団、秩序、ともにいる相手など)をよくしていきたいというという思いができるのかなと思いました。

主人公たちの深い思索と知識が日常から生まれ、それが悩みにつながりながらも、誰かを救うものや、好奇心を刺激されて楽しんで行く姿が美しくとても穏やかなものであると同時に、それは長続きせず常に世は変わっていくという無常、それでも変わりない友情があるのだろうなと考えました。(真面目すぎることを書いてしまった...)

最後に海の色が映されたところは、白黒の世界は紙と墨で残された世界から、彼らが確かにいて感じたものが見られたようで、とても美しいと感じました。
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