似太郎

岸和田少年愚連隊の似太郎のレビュー・感想・評価

岸和田少年愚連隊(1996年製作の映画)
4.6
【90年代版『けんかえれじい』】

『ガキ帝国』『のど自慢』の井筒和幸監督らしく、バイオレントなのに人懐っこいユーモアに溢れた関西人らしいセンスが炸裂した不良映画。やはり本作も初期のスコセッシを想起させる。(『ミーン・ストリート』など)

ナイナイの主演二人が芸人とは思えない程に素晴らしい演技だった。矢部と岡村最高!。どん詰まった不良少年たちの必死の抵抗を描き、喧嘩上等🤜な関西のワルの生き様がアナーキーでカッコいい。映像からまるで任侠映画のような構図、様式美を感じる。

T-REXのナンバーが掛かる冒頭シークエンスが印象的である。井筒監督はロック好き。そこもスコセッシに似ている。やんちゃで活き活きとした、邦画らしい泥臭さも加味された超一流の喧嘩映画に仕上がっていて大満足の作品である。

できれば三池崇史の『喧嘩の花道』と併せて観たい作品。この頃の井筒映画は元気があって良かった。いまはホント〜に駄目になったが…。
似太郎

似太郎