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エイリアンVSジョーズのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

エイリアンVSジョーズ(2020年製作の映画)
3.5
【映画とは画と画の繋がりで物語るものである】
映画系VTuberの映灯十色さんと萩野ナイトさんの同時視聴配信にて鑑賞した↓
https://www.youtube.com/watch?v=gSGay1bOgmc

この手の映画は、他の映画では観られないような演出の妙が楽しめるので、こういう映画ほど襟を正して観る必要があると考えている。実際に観てみると、サイレント映画でも通用する、滑稽なエイリアンと人間とサメのじゃれあいが楽しめるのだが、なんといってもUFO造形が素晴らしい。緑と赤のライティングに彩られた空間にエイリアンが目を細めて立っている。エイリアンは、謎のディスプレイを触りながらUFOを操作する。人間の文明とは異なるが、直感的デバイスを用いてUFOを操作していく姿は、iPhoneの存在を知らない人が初めてiPhoneを見た時に「板を使って何か操作をしている」と感じる様子と重なる。つまり最先端すぎる技術を目にすると、魔法に見える現象を的確に表現したシーンといえる。

さて、本作では奇怪な海の発光や宇宙人が操作する猫の目線描写など視覚的魅力に溢れた作品であるが、最も注目すべきポイントは「映像の使い回し」である。ナショナルジオグラフィックを彷彿とさせる海の画はもちろん、マーク・ポロニア監督の別の作品である『ランドシャーク / 丘ジョーズの逆襲』の映像を執拗に使い回しているのだ。時には、島の空撮映像を逆再生させ、あたかも別の画と見せかける場面もある。同じ画を並べたら物語は進行しないのではないか?しかし、映画は確実にエイリアンと人間とサメの戦いへともつれ込む。

これを踏まえると、映画とは画と画の繋がりで運動を引き起こすものであることがよく分かる。例え、同じ画でもその直後に挿入される画が違えば異なる物語が紡がれるのだ。これぞモンタージュの実践例ではないだろうか?

たまにサメ映画を観ると新たな発見があるなと思いました。
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