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しあわせのパンのbluetokyoのレビュー・感想・評価

しあわせのパン(2011年製作の映画)
3.2
2024年12月1日 14:00~ J:COM 
メルヘンでゆったりした独特の世界観はいいのだが、ストーリーは、3つのオムニバスになっている。ストーリーが、3つもあるので飽きないだろうと思うわけだが、月並みな話が3つ連続しているので、やはり、飽きる。ストーリーは1つにするべきだったと思う。3つの話の合間に美味しそうなパン、料理のシーン。こういうのを見ると、やはりストーリーは1つだった方がいい。
主人公は、水縞りえ、尚夫婦だが、映画を見る限り、まったりした平和そうな夫婦、という印象しかない。ただ、原作によれば、かなりな事情を抱えているらしいのだ。おそらく、オムニバス形式にしたのは、そうした事情を描写したくなったからと思える。

映画では、その事情は触れていない。強いて言えば、なんとなく、夫婦にしてはよそよそしい、ぐらいだろうか。事情を知れば、なるほどとは思うものの、知らなければ、あまり気にもならない。
そこで、3つの話である。

1つ目の話。東京でうまくいっていない若い女性、齋藤香織が、ふらりと、カフェ マーニにやってくる。そこで、地元で、やはり、うまくいっていない青年、山下時生と出会い、仲良くなって、一緒に、東京へ行く。
行き詰まったときに、二人で助け合って、どっかへ行く、ということである。

2つ目の話。両親が離婚して、母親を失って寂しい、未久。だが、残された父親がいるではないか、という話し。残されたもの同士で助け合う、というこどである。

3つ目の話。余命いくばくもない老妻を伴って阪本史生がやって来る。思い出の地で心中しようと思っていたが、思い直した話。一方が他方を看取る。これも、助け合いということになる。

という3つの話を経て、水縞りえ、尚夫婦は、夫婦として、結ばれることとなった。
全体の話の流れとしては、そういうことなんだろうけど、あんまり、うまくいっているとも思えない。

だが、話しとしては、うまくいっていなくても、水縞りえ、尚夫婦のカフェ マーニがうまくいっていて、さらに、まわりの環境、人間関係がうまくいっていれば、映画としては成立するのかもしれない。
3つの話で登場する人たちをが、それなりに、説得しているのが、水縞りえ、尚夫婦のうまくいっている生活だからだ。
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