にしの

クー!キン・ザ・ザのにしののレビュー・感想・評価

クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)
3.0
かつてのマルクス・レーニン主義の国、ソ連。その終末期に公開されたコメディSF「不思議惑星キン・ザ・ザ」がアニメにリメイクされた。ゲオルギー・ダネリヤにとって27年ぶりのリメイクであり、本作が遺作となる。
資本主義諸国側の文化圏の「映画のお約束」を浴びてきた観客にとっては独自のおかしさがあって、「不思議惑星キン・ザ・ザ」はカルト的人気を博した。27年の時を経た本作からは、西側諸国の空気に触れてきたロシアを感じた。
よく言えば映画として洗練され、悪く言えば独自性(毒気?)が中和されてしまった。
今になって思えば、その独自性が面白さだったのかもしれない。デフォルトされて一目で宇宙人とわかる造形のキャラクターはかわいらしいが、小汚いおっさんがなんの説明もなく宇宙人として現れる旧作のインパクトには及ばない。
監督の考えが変わってしまったというわけではないだろう。ただただ、よくできた画一的な作品になってしまっただけである。
そういう意味で、少し哀しみも感じたリメイク作品でした。
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