りょうすけ

アメリカン・ユートピアのりょうすけのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
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「アメリカン・ユートピア」

2021/12/27 U-NEXTレンタル
2024/2/4 U-NEXT

本作は元トーキング・ヘッズのデイヴィッド・バーンが手がけたショーをスパイク・リーによって映像化した作品。なお僕はトーキング・ヘッズが好きなわけでもないしそもそもデイヴィッド・バーンを知らない人間だが、前々からこの作品の評判を聞いていたためU-NEXTの有料レンタルにて鑑賞。率直な感想としては未だかつて体験したことのない映像体験だった。
ミュージカルが大好きなので舞台をそのまま映像化した作品というものに慣れている僕だが、それでもこんな体験をしたことはない。ミュージカルとも違うし、ライブ、コンサートとも違う全く新しいタイプの劇場型エンタメ。本来は演劇やミュージカルを上演する劇場でお客さんが立って体を揺らしながら観ているという状況がまず異質であるが、TVで見ているこちらも自然と拍手をしているというのが更なる不思議体験。演奏されている曲はあまりにライブ感がなくて口パクで演奏しているのかと思いきや、向こうから録音ではないと言ってくれる安心感。プロとは言えこのレベルのショーを何公演もやっているなんて到底信じられない。
そしてなぜこの作品をスパイク・リーが制作したのか最初は全くわからなかった。しかし時間が経つにつれ気づいた。「これは完全にスパイク・リーの作品だ」と。作品の形態は異なるものの核の部分がスパイク・リーの思想そのもの。それ以外の何物でもない作品だった。
映画ではないので今回のスコアはつけないでおくが、非常に満足度が高かったのは事実。できれば劇場で観たかったが家の音響設備が完璧な人は家で観てみてほしい。
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