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アメリカン・ユートピアのakinaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
3.9
デイヴィッド・バーンによるブロードウェイショーをスパイク・リーが映像作品にしたもの。
アメリカのエンターテインメントの素晴らしさを見せつけられた。
本編の前にデイヴィッド・バーンとスパイク・リーの対談映像もあり、表現をするデイヴィッドとそれをどのように映像で見せるかにとことん向き合ったスパイクの、この2人だからこそ出来た映像だったように思う。

"人と人が繋がり、ひとつになること"がこのショーの根っこにあって、
ただ楽しませるパフォーマンスであるだけでなく、社会問題や時代を切り取りそれを伝えることで、人との繋がり、演者と観客の繋がりをも伝えてくる。コロナによる人との繋がりの遮断や分断が生まれてしまった今だからこそ、繋がりを感じることで喜びに変わるし、それがショーの中で一体となった時の高揚感は感動的だ。

あと、マーチングバンド形式の演奏を観ていて、人って"リズム/ビート"という至ってシンプルな音で心が動かされちゃうな、と。

歌も演奏/パフォーマンスももちろん素晴らしいし、シンプルな立方体のステージで照明とダンスだけで魅せる方法も、スパイクの熱心な鑑賞と努力によって(その対談で話していた)、ショーの素晴らしさを余すところなく映像でも表現している。
有色人種への差別について触れた楽曲のインパクトはスパイク・リーだからこそのもので、やはりこの2人だからこそ成立した作品だなと。
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