滝井椎野

マスター 先生が来る!の滝井椎野のレビュー・感想・評価

マスター 先生が来る!(2021年製作の映画)
4.3
我らが大将ヴィジャイが歌って踊り、悪を叩く。
その圧倒的存在感はまさにスーパースター。何においても焦らして焦らし、満を持して大暴れをする。その姿たるや、これで興奮するなと言う方が無理な話だろう。

内容は結構シリアスで、なかなかに辛い展開が続く。それでも暗くなりすぎないのは圧倒的エンタメ感あってこそ。
ズルいのが、初っ端の歌と踊りを伴って登校するシーン。これを最初にやられては主人公JDを好きにならざるを得ない。曲が終わる頃には、すっかり彼を囲む生徒の一員になっている。私個人としては最後にJDの椅子になっている生徒に親近感を感じた。
このJDというキャラだが、その人間的弱さもまた魅力の一つであり、その過去から酒に逃避し、どこかいい加減なところもある主人公があるきっかけから己の過ちを悔いて覚醒する。その王道展開は実に燃える。
そんな中で立ちはだかる巨悪バワーニがまた良いキャラをしていて、二人の対決に期待がどんどん高まっていく。そして最後の重厚な肉弾戦である。さんざん焦らされた甲斐があり、最高だった。

とにもかくにも、数え切れない程の『分かってる展開、演出』の連続で最後まで拳を握りしめながら観れた。
今後もヴィジャイから目が離せない。
滝井椎野

滝井椎野