社会のダストダス

アクアマン/失われた王国の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.7
魚(うお)ぉぉぉーーー!!!

ディズニーはリトルマーメイド、ワーナーはアクアマンと、相次ぐ人魚映画の不振が報じられていたけど、ちょっと低めの期待値を上回ってくれる良作だったと思う。

DCEU、いわゆるスナイダーバースの最終作品。ユニバースのリセットやら、バットマンが出る出ないやら、アンバー・ハード問題やら、試写会反応悪すぎやら、再撮影連続で製作費やば過ぎやら、公開が1年も延期やら、延期したら今度は世間がスーパーヒーロー疲れを起こしているとか言われてたりなどなど…

この映画の製作過程をドキュメンタリー映画にしたら絶対面白いんじゃねえかというくらいお通夜なムードが漂っていたのでジェームズ・ワン好きとしては正直待ってて辛かった。前作『アクアマン』を観た人なら気付いたと思うけど、新規キャストが全くと言っていいほどいない、デフォーがいつの間にか帰らぬ人になってるからむしろ減ってるかも。

そして、使えるカードがどんどん無くなった末に、作品の命運を盟友パトリック・ウィルソンにオールイン!この潔い選択はジェームズ・ワンからの信頼なのか無茶振りなのか。DCEUのラストとしては正直全然まとまっておらずただの打ち切りになったといえばそれまでだけど、『アクアマン』という映画の続編としては個人的にはとても満足がいった。この状況下でもそれなり以上に仕上げちゃうワン様マジ愛してる。

冒頭のモモアマンの萌えキュンスマイルがプライスレスすぎて、この先どんな映画になっても許せる精神状態の下地が出来たのがデカい。予告編では明らかに大人の事情でほぼ映らなかったアンバー・ハードも、てっきりすぐ死んじゃったりするのかと思ってたけど、思ったより活躍のシーンが多い。

まとめるとここ数年で一番、脳死で楽しめるヒーロー映画だった。ジェームズ・ワンは悪霊系の敵の倒し方が無慈悲にあっさりしているというか、クライマックスの流れがほぼ『死霊館』で笑った。シリーズリセットしても出来ればモモアマンとオームは続投してほしい。

ワン様には完結の噂がある『死霊館』シリーズを当分は頑張っていただきたいです。これ以上DC作品に関わるとジェームズ・ワンがいてジェームズ・ガンもいるから、紛らわしくて面倒臭くなるので丁度いい引き際だと思う。