マインド亀

アクアマン/失われた王国のマインド亀のレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.0
底抜け愚王の大冒険!超大作!ありがとうDCEU!

BLACKHOLEにてお便りが、採用されました!
https://www.youtube.com/live/QNZj-jsTjTA?t=2455
BLACKHOLEでは大好評の作品でした!!私はというと…

●DCEUの大トリであり、数少ないヒット作の続編、『モモアマン』観てきました。結論から言うと、途中ウトウトしてしまうくらい、アクアライド失敗でした。

●なんだか、陽性バカの悪いところばかりが目立って、逆に弟オームの賢王ぶりの評価が爆上がりした物語でした。
まずのっけから、いくら育児に疲れているとはいえ、議会の内容なんてわけわかんねーから寝る!という不誠実な態度は、爆睡する国会議員に憤慨しているいち日本人としてはあまりに不愉快ですし、実家に帰省していて国家の一大事に出遅れるなんてのは、震災の時に東京に帰省していて不在だったどこかの県知事と、筋肉バカぶりがそっくりでイライラします。アトランティスには王の横暴ぶりを訴える石川テレビのような報道機関はないのでしょうか。
流石にこんな国王には国家の最重要機密は教えられないと思ったのか、プルトニウムにも値するような超絶物質オリカリクムや、世界を脅かす最終兵器ブラックトライデント、失われた悪の枢軸国ネクラスの長コーダックスについても何も知らされておらず、「なにソレ?食べられるの?」状態なのも致し方ないなと思います。
だいたい、王家の末裔である息子を護衛のいない漁師の家で親父に保育させてるのも不用心だなあと思っていたら案の定狙われてしまう始末。色々と危機管理能力の低い王様だと思いましたが、スキだらけなのも自身が最強の強さを誇るからこそでしょうか。
また、アトランティス代表評議会と言うまがりなりにも民主的な制度があるにもかかわらず国家の未来を変えてしまうような選択を独裁的に決断してしまうのも、あまりにも民心を軽視した愚王と言わざるをえないと思いました。国連とイザコザを繰り返したワカンダの二の舞いにならなければよいのですが…
そもそもアーサーは海の生物と会話ができるというヒーローの中でも最もユニークな能力を持っていますが、イルカやクジラのような哺乳類には助けを求めるものの、イカとかタコのような軟体動物や甲殻類に対して見下している感じもありますし、多様性に寛容でないのも気になります。Amazonオリジナルドラマ『THE BOYZ』で、タコとセックスをしていたディープを見習えよ!と思いました。
また、弟にゴキブリを食わせて「美味しいだろ?」ギャグも非常に気分が悪かったです。まるで未開人に下ネタを世界共通の挨拶として教えるようなくだらない芸人のような底意地の悪さを感じました。結局この戦いで一番の功労者であるオームは王政にカムバックとはならず、さらにオームに「裏からこっそり助言をしてくれ」と頼むあたり人として最低です。
なぜ人はアメコミのみならず日本の少年漫画においても、「持てる者」の血筋に関する話が多く、「持たざる者」が主人公となる話は少ないのでしょうか。みんな王家や勇者の血筋が好きなんだなあと思いました。

●また、映画の画面全体はずっとさらにCG感が増してて、色々な文明を横断しながら戦っているはずなのに、どれも似たような絵面になってるので観ていてスゴく退屈しましたし、もうすこしリアルな海洋生物を出してくれないと、『アバター』を観てるような錯覚を覚えます。これはもはや実写というよりも実写風アニメーションと言っても良いのではないでしょうか。
肝心のアクションは、「危ない!」→横から助けが入る→「また危ない!」→誰かが攻撃をして回避する、の繰り返しでワンパターン。信頼のできる男ジェームズ・ワン監督にしてはちょっと新鮮さが足りない作品となりました。
DCEUでは、皆に舐められて正当な評価を受けていない『シャザム!』シリーズや『ブラックアダム』『フラッシュ』と最近はとても頑張っていただけに、なんだかもの淋しいラストになってしまいました。

●しかしながら、これはあくまで『アクアマン』という題材の仕方無さもあるのかと思います。暗い暗い鈍重なトーンで客足を遠のかせたザック・スナイダーバースの初期作から一気に明るく生まれ変わらせた『アクアマン』。なんとなくタイカ・ワイティティが撮った2作の『ソー』の豪快で筋肉脳的な性格付けに呼応しているような気もしますが、そもそも原作とはかけ離れたモモアマンとなった時点でこのようなバカっぽい感じになったのも仕方ないかもしれませんね。上記のように、細かいケチをつけてるのも自分でもどうかとも思いますね(笑)
また、役者やシリーズの計画変更や関連作品の中止など色々とトラブルに見舞われた作品ですので、ここまで仕上げることが出来たとも言えるし、それはワンの映画力ですよね。偉そうなこと言ってスイマセン…。
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