こーの

レミニセンスのこーののレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.0
面白くないわけではないが合わなかった。
合わなかったので否定的な感想になります。

近未来ブレインダイブ系作品。
SFと見せかけた古典的ラブロマンス。
温暖化の影響で海面が上昇し、多くの陸地が沈み、残った陸地ドライランドを一部の裕福層が独占しているアメリカが舞台。
この裕福層『地主』の設定が謎解きに絡んでくるが、西武時代でも通用するような話なのでポストアポカリプスの退廃感はあまり活かされていない。
物語は『メイがなぜニックの元を去ったのか』を主軸にしてストーリーが進む。その『謎』は面白く、水をテーマにした映像も美しいが、ニックにそこまで共感できなかったので始終挿入されるニックのメイとの『美しい記憶』に段々辟易してくる。
たった数ヶ月共に過ごしただけの女性(でも忘れられない特別な女性)というのはよくある設定だが、ニックがなぜそこまでメイに執着するのか説得力に欠けていた。『幼少期に思い入れのある歌を知っていた』だけでは不足がある。
この点に乗れないと最後まで置いてけぼりを食らう状態になる。ニックに共感できれば楽しめる作品かもしれないので、人を選ぶのではないかと思う。