膨大な制作費と広告費の半分も回収出来ずに世の中では大爆死認定されている本作。予告ではＳＦサスペンスのような雰囲気に見えましたが、蓋を開けてみるとラブサスペンスのような感じなので、公開以降伸び悩んだのも頷けますね。
水没しつつある世界に、記憶にすがりつく人々。設定はスゴく幻想的で惹かれるものがあります。ベネチアのような風景は男と女の情事がよく似合います。やはり監督が女性なので男性が主人公ですが、女性側に立った目線や心情を中心に描いていますね。
気持ちは分かりますが…主人公は公私混同甚だしいですし、ストーカー気質で自分勝手で魅力を感じません。去るもの追わずの私には理解が出来ない。
恋は盲目というのををよく落とし込んではいました。
アクションはあるにはありますが、見せたいのはこちらじゃないためか添え物程度であまり印象に残らない。
主人公が強いんだか弱いんだかで、あまり軍歴設定が活きてないなと思いました。
誰かが言っていましたがなるほど「マルタの鷹」に似ています。幻想的な世界観を抜きにすれば、昔の探偵映画の構図によく似ている。
過去は人に取り憑くという台詞そのままのお話でした。
悪くはないなと思いますが予告で観た「インセプション」のような映像に騙されました。これじゃない感が強くて純粋に物語を楽しめませんでした…。
