このレビューはネタバレを含みます
先導車の後を走る囚人を乗せた護送車が、謎の犯人に襲撃されて孤立する。
先導車の警官も相棒も殺され、一人になった警官はこの窮地をどう切り抜けるのか?
滅多にハズレないスペイン産サスペンス。序章のシーンがヒントであることは確かだが、犯人の目的がわからずグイグイ引き込まれた。
早々に署での身体検査を持ってきて、囚人の紹介を済ませて各々のキャラクターは刷り込み済みなので、先入観から間違った方向にミスリードされるように仕向ける構成が上手いと思った。
犯人は1人の若い男を指名して、そいつを差し出すように言うが、本人の怯えかたが尋常ではなく、ここでも“善or悪”どっちにもとれる疑問を払拭できない。
要求が通らないため犯人は意を決して護送車を走らせる。そして、凍った湖に停車させるとタイヤ付近の氷に弾を撃ち込んだ。みるみる沈む車。右往左往して逃げ出すのを犯人は待っているのだとわかった。
初めて祭りに出掛けた、犯人の13歳の娘が酒を飲まされ、レイプされ、車に繋がれ引きずられた挙げ句遺棄された。
未だに発見されない遺体を見付けて祖父母の墓に埋葬するのが願いだと言う。
なのに、おぞましいレイプ犯は罪を免れ口を割らない。だから、私刑を敢行しようという訳だ。
ここまで観て、やっと気付いた。
これ、まんま「さまよう刃」のスペイン版リメイクだと。
ここでの主役は父親でなく警官だけど、場所を変え設定をちょっと“ひねる”とこうなるのか?
なるほどね。
もとネタがあるので採点は辛め。