ヒノモト

ハム・オン・ライのヒノモトのレビュー・感想・評価

ハム・オン・ライ(2019年製作の映画)
4.1
同年代の少年少女たちが着飾り、地元のお店「モンティーズ」でサンドイッチを食べながら、店内で行われるある儀式とその先のお話。

違う映画目的のついでに鑑賞しましたが、1週間しか上映がないこちらのほうが刺激的で大変良かったです。

ある意味大人になるための通過儀礼のような儀式があるのですが、それまでの期待感を裏切るように、そのものの核心を描かずに、儀式によって音信不通になってしまった友人とドロップアウトしてしまった主人公の挫折感すらも、間接的にその街そのものの退廃感とともに、期待や希望を失ってしまった大人との隔絶を隠喩として表現していて、そのカットやシーンそれぞれに明解な答えが示される訳ではないのに、過ぎ去った青春の苦々しさを感じさせるところが素晴らしかったです。

フライヤーに使われている手指のカットの多用がフェチシズムでもあり、台詞が無くても小気味よく表現できていることの恐ろしさ、難解に捉えようとせずに、大人や子供の見え方の可変ぶりをそのまま味わえばよいと感じました。
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