紺野薫

光の輪郭と踊るダンスの紺野薫のレビュー・感想・評価

光の輪郭と踊るダンス(2020年製作の映画)
2.5
口からビームが出る疫病が流行った世界。
冒頭では厚労省、新規感染者数という2021年の世界線では耳慣れた言葉が並び、なんなら小池百合子が喋ってる。
どうしても観客としては「あ、コロナのオマージュだな」「何かしらコロナに なぞらえたストーリーなんだな」って思ってしまった。そんなことは特になかった(ように私には思えた)

口からビームが出る疫病。
ビームが出るだけで特に何か支障がでるんけではない。ビームがてた登場人物は飄々としていて「ショッキングピンクだ」なんて笑う。命の危険がなさそう。

だとしたら、この「口からビーム」はなんのメタファーなのか。
そう考えながら見ると、私の中で2択になった。
「生きたいという強い願い」もしくは「希死念慮」。この混沌とした世界で「生きたい」と強く願うのも、希死念慮を抱くのも、この世界の「混沌さ」が人の心へ作用するから。
「行きたいと言う強い願い」か「希死念慮」か どっちかだろうなーーとは思いつつ舞台挨拶で答えが出ましたが、どっちでもなかった。

途中、演出として「どういうこと?」と首を傾げたくなる部分もいくつか。アートだな、これはアートなんだろう。

終盤にタイトルが出て「これでエンディングかーー」となったけど続きがあった。その内容が1番カオスで「???」ってなった。まじ宇宙猫。なんでそうなる?もしかしたら、これが監督が伝えたかったことなんだろうか。

考えるほどにドツボにハマりそうな作品。
あともう1回みたいな。そうじゃないと分からん。

あ、映像は超キレイでした。
なんでもなさそうな光景も、あんな風に切り取るとシャレオツになるのか。そう考えると、私の毎日も悪くない。
バカがミタカッタ世界さんの音楽が最高でした。
紺野薫

紺野薫