あ

ローズメイカー 奇跡のバラのあのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

良かったー!
主人公が薔薇好きの偏屈おばさんで、薔薇に対する愛情以外は最低だから中盤くらいまでは冷めた目で見ちゃってたんだけど、農園を維持する為に最低賃金だからという理由で雇った曰く付きの面々との出会いから始まる展開が良き!
主人公が偏屈過ぎるから、新たな出会いをしたからって早々に変わるわけでもなく。挙句の果てには、どん詰まり故に盗みまでやっちゃったりして結構ドン引き。
犯罪はあかんから、そこから実を成す展開だと解せねえなあと思ってたら、まさかの頓挫で。主人公や従業員的には苦労が水の泡で残念だけど、傍から見てる側としては、裏技で得た物にはロクな事がないから、ここで断ち切れた事に胸をなで下ろしたり。
そんなこんなの中、曰く付きだった面々が農園に来たことで思わぬ才能を発揮し、農園が名実ともに潤っていく展開が胸熱!
(前振りがあったとはいえ)盗みの経緯がなければ嗅覚の才能は気付かれなかったし、農園の危機がなければ売り込みセンスが開花する事はなかったし、主人公の薔薇愛に触発されて薔薇への愛情に目覚めなければ新種が出来る事もなかったわけで。
全ては偶然の産物だけど、そこに行き着くまでの展開が凄く自然で、気付けば見入ってた。
そして終盤の展開ですよ!
前科者のフレディが、受粉させて種を作る事は簡単だけど、大事に育てる事が花を咲かせるポイントなんだ〜云々カンヌン〜と言って、連絡を寄越さない親と別れを告げる為に薔薇を渡す姿に涙。
主人公が薔薇に注ぐ愛情を見て、子を慈しむ親の愛情にも似た感情を見出して、自分と親の関係を冷静に見て潔く見切りを付けるのが良い。主人公と義理の母子関係にも似た結び付きが出来た事が後押しになってると感じられるのもまた。
そして、別れの時に手渡された花言葉の本と押し花の意味に大号泣!
受賞した事は分かる程度で、変に感動的な事は入れないアッサリした終わりも好感が持てた〜良き!
あ