ちろる

ダリアの世界のちろるのレビュー・感想・評価

ダリアの世界(2019年製作の映画)
3.6
小さい頃、多分私がまだ3歳くらいの時にお正月の混雑しまくった明治神宮の参道の中、いつのまにか知らないおじさんの手を握っててギョッとした。
私はバカだからなんか泣くよりもなによりも、パパがこのおじさんの顔に変身してしまったのかと一瞬思ってじっと見つめてみた。
そしたらパパが知らない女の子の手を握ってるのがすこし横に見えて、それに気がついたパパが私をみてギョッとした。
要するに私の手を引いてた知らないおじさんと娘がいつのまにか入れ替わってたという嘘みたいな本当の話。
これが私の中で最初にあるワンダーな迷子体験。

子供の頃の迷子の思い出って妙に大人になっても心の中に刻まれているものだ。
この物語ダリアの見えた不思議な熱帯雨林の世界はフェイクだとしてもその種明かしは消されてこの後もまるで現実のものとしてずっと、ダリアの不思議な体験として残っていてほしい。
絵本のような可愛らしいシンプルなアニメーションだけど、鑑賞者を幻想世界へ引き込む演出がとても上手くできている。
なんだかとても懐かしい「あの頃」を思い出させてくれるファンタジックなアニメーションでした。
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