12歳の少女に扮した女優3人がネットで性被害に遭う様を写し続けるドキュメンタリー作品。
ロリコンの恐怖では無く、グルーミング、支配欲、吐口の発露の恐怖と言うべきか。
モザイクはかかっているけど、40〜50代の男たちが少女(ではないのだが)にニヤけ面で性的な話題を振り続け、オナニーを見せつける様を何度も何度も映すので、男の自分でも鑑賞中のダメージが凄まじい。
当事者達のストレス、心のダメージを推し量る事さえ恐ろしい。
たった一人の「真人間」からモザイクが消えた時、観客は安心感を抱くだろうが…当たり前の姿に安心しなければならない程クソが蔓延しているという裏返しでもあり…。
ラストで放つ「直接対決」で「演じる事を忘れて激怒した」彼女の真っ当な怒りの姿が居た堪れない。
責任転嫁に終始する男の戯言でこの映画は一先ず閉じるが、問題は何も解決していないのである。
エンドロールで不気味に響く「Skypeの着信音」が印象的。Skypeにとっては営業妨害だろうが、野放しにして対策を取らない起業姿勢への風刺であるし、心に傷を負った少女が感じる「恐怖」を音楽で表現したに過ぎない。
