かりんとう

黄龍の村のかりんとうのレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.8
いいんだよいいんだよ、こういうのでいいんだよ!
めちゃくちゃ馬鹿馬鹿しいことをとことん本気でやる大人って、なんでこんなに好感が持てるのか。

予備知識無しのまっさらな状態で(しかも全く期待せずに)観たら、すっかり心掴まれてしまった。まことに天晴れ。

わずか106分の映画なのに、怒濤のアクションシーンにしっかり尺を割く。だがそれがいい。
演技力?ストーリー?気にすんな楽しめ。あとは一ノ瀬ワタルがなんとかしてくれる。
やばいな、この映画のテンションに引っ張られてレビューの文体が壊れてきてるわ。いつもはこんなんじゃないのにアタイ。

監督の阪元裕吾はまだ28歳なのか!
この映画を撮ったときは24~5歳かぁ。こういう若き才能はどんどん世間に出て欲しいね!
ベイビーわるきゅーれの監督と知ってなるほど納得。
監督曰く「自分が目指す映画はハリウッドではなく少年ジャンプ」だそうなのだが、今作にも漫画的キャラが嫌味なく散りばめられていてるし、戦闘描写も漫画の擬音が聞こえてきそうなカット割りだ。
原作は漫画なんじゃないかと本気で思ったほど。

今作の一ノ瀬ワタルを観て、「サンクチュアリ」がヒットして本当に良かったね、と素直に思ってしまった。
実際演技力はこの中では群を抜いていたし、どんな仕事でも全力で臨んできた彼の気骨が伝わってきた。
ていうかもうこれ一ノ瀬ワタルの映画やん。

若き監督と俳優たちのこれからの活躍に期待したい。
いっぱい笑わせてくれてありがとう。
なんかおばちゃんすごい元気になったわ。