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黄龍の村の消費者のレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.8
・ジャンル
アクション/コメディ

・あらすじ
東京から関西の田舎へとキャンプにやってきた大学生の友人グループ
バーベキューを終えて彼らがコテージへと向かっていると車がパンク
携帯の電波も通っていない場所で足止めを食らってしまう
やむなく近くの村へと助けを求めに行く一行
そこで出会った村人、新次郎は快く彼らを受け入れ家へと迎えもてなす
しかし徐々に違和感が露わになっていく
あらかじめ準備されたかの様に提供される寝食、使役させられる若い女性達…
そして翌朝、村の因習の正体と村人達のおぞましい狙いが明らかになる…

・感想
みんな大好き阪元裕吾監督の村映画
そんなのつまらない訳ないじゃん!と鑑賞前から思っていたけど期待通りの展開でニンマリ
映画としての作り込みよりもアクション/バイオレンスとシュールさを突き詰めた監督らしい作風が存分に活きていた

ダルいノリの大学生達も他の阪本監督の作品とも共通する絶妙なウザさが面白いし飲む酒とかも含めてDカスの解像度が高過ぎて笑える
そして肝心のアクション!
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズやそのスピンオフ「最強殺し屋伝説国岡」の様に徹底されているだけでなくキャラ毎に戦法が違うので観ていて飽きない
グループ陣営は正統派アクションとパワー系、銃の三通りで村人には侍までいるし普通の人妻みたいな女性が中国拳法の使い手だったりラスボス十兵衛は野獣系だったりで楽しさしかない!

そもそも梶原役として国岡を演じた伊能昌幸さんが出ている時点で間違いないんだよな…
村の御神体、十兵衛も「サンクチュアリ -聖域-」で一気にその名を知らしめた一ノ瀬ワタルさんが見事にハマり役!
特にノリがダルい男性陣2人の片割れ、村井役も阪本監督作品常連の松本卓也さんが出ていて呆気なく殺される所まで含めて笑えるし…

惜しかった点は約60分という尺の短さを考えると仕方ない事だけどキャラの濃い登場人物達があれだけ描き分けられていただけに個々を描く部分が少なくてやや物足りなかった部分くらい?
90分くらいの尺でそこを強化していたらもっと良かったと思う
あとは欲を言えば「スロータージャップ」や「ハングマンズ・ノット」みたいにアクロバティックな展開があったら嬉しかったかなぁ

とはいえ阪本監督の作品が好きな人なら間違いなくハマる映画なのは確実だしサクッと観られるのでオススメしやすい一作
白石晃士監督の「コワすぎ!」シリーズとかが好きな人にも刺さるはず!
ネトフリ配信中に是非とも観て欲しい
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