鍋山和弥

カランデイバの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

カランデイバ(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

片思いの女子高生の、主人公を、中心に、人間ドラマが、展開されてく作品。この作品には、様々な、問題を、抱えた登場人物達が、出てくる。中学受験を、控えた小学生男子。引き込もってしまった、その兄。マルチ商法に、手を出す、地方役者。同性愛の、悩みを持つ、男子高校生。重い悩みを、抱えてる登場人物は、それくらい。それぞれが、一歩踏み出し、成長するように、できてる。まず、中学受験を、控えた小学生男子。この子は、主人公の妹に、告白し、付き合うことになる。この妹。特に、この小学生男子には、恋心は、抱いて無かった様子。察するに、告白されて、遊び半分で、付き合おうって感じ。彼女は、恋愛というより、自分のことを、好きと言ったから、面白いぐらいしか、思ってない。どのくらい、自分のためにしてくれるか試して、最終的に、『とりあえずは、しばらくは、付き合うか』みたいなノリ。でも、この関係、意外に長く続きそう。この小学生男子は、お受験って感じ。親に言われたから、勉強し、親に言われたから、夢もなく、言うこときいてる。それが、彼女の影響で、塾をサボったり、学校でも、近くで話したりと、自分に、正直になる。勉強じゃない成長だ。そして、彼女の方は、恋愛感情は、無くとも、アゴで、使い続けてそう。もしかすると、掛け替えのない、存在に、なるかもしれないが、・・・・。次に、その兄。この兄、引きこもりなのだが、おそらく、原因は、親。それも、父親の方。たぶん、勉強しなさいと、言われ続けたのだろう。勉強優先で、人付き合いも、苦手になったに、違いない。部屋に籠って、自作小説を、執筆している。その作品、タイトル、『浮浪人』。この作品の、インスピレーションは、どこから来たのだろうか?彼は、部屋に、籠っているのだが、『浮浪人』の、登場人物達は、仲間がいて、部屋に移り住み、自由を謳歌している。このイメージ。おそらく、この兄は、友達と自由が、欲しかった。そんな気がする。このイメージが、この『浮浪人』という、作品を、生み出した。この兄は、作中、家の外に、出て、弟の彼女に、完成したパズルを渡す場面が、あるのだが、それを、きっかけに、カウンセリングに、興味を、持つ。その際、完成した『浮浪人』を、削除する。彼を、部屋に留め、自由を縛ったのもまた、『浮浪人』という作品だった。作品の削除は、外の世界への、第一歩と言える。次に、マルチ商法に、手を出す、地方役者。彼は、うまい話に騙された。そして、詐欺の片棒を担いだ。このマルチ商法問題。騙されやすい人は、引っ掛かる。夢を追ってる人は、尚更だ。彼は、根は、正直で、素直で、優しい青年だったのだろう。最後は、勇気を出して、『詐欺』と口にした。そして、同性愛の男子高校生。彼は、主人公の女子高生に、恋心を抱かれるが、同性愛者だから、恋人にはなれないと告白をする。つまり、振る。隠し続けるつもりだったが、主人公を、守るために、カミングアウト。周りから、白い目で、見られる。このように、みんな、勇気ある一歩を、踏み出している。それは、主人公の女子高生も、同じで、同性愛の男子高校生の、ゲイという事実を、受け入れ、友達で、居続ける勇気を持つ。主人公の女子高生も含め、それぞれが、勇気ある一歩を、踏み出した、そんな物語。
鍋山和弥

鍋山和弥