◆あらすじ◆
2011年、ロス・ウルブリヒトはネット上での匿名化と仮想通貨のビットコインの技術によってネットで麻薬を購入できるサイト「シルクロード」を立ち上げる。ロスは予想以上の成果にシルクロードの拡大にのめり込んでいく。一方、麻薬取締局(DEA)のリック・ボーデン捜査官はそのワンマンぶりからトラブルを起こし、サイバー犯罪課に左遷される。パソコンに無知なリックだったが、情報屋のレイフォードから「シルクロード」の存在を教えられ、その捜査に手をつけ始める。
◆感想◆
闇サイトを立ち上げた天才、ロス・ウルブリヒト(ニック・ロビンソン)とパソコン素人のはみ出し捜査官のリック・ボーデン(ジェイソン・クラーク)が思わぬところから、対峙していく姿を描いた作品となっており、圧倒的なネット熟達度の違いがありながらもロスをリックが追い込んでいく流れは意外性があって面白かったです。
ロス・ウルブリヒトは実在の人物で、何か大きなことを成し遂げたいという欲求に駆られていて、ネットでの麻薬取引をできるようにしようと思いつきます。友人や恋人に見守られながら、闇サイト「シルクロード」を立ち上げるのですが、ロスが異常にのめり込んでいくために友人も恋人も彼から離れていきます。「シルクロード」で世界征服ぐらいの感覚がロスにはあって、彼の感覚には私もついていけませんでした。
DEA捜査官のリック・ボーデンは自分勝手で粗暴なために捜査でトラブルを起こして、サイバー犯罪課に配置換えされます。現場一筋だったため、リックは途方に暮れますが、「シルクロード」の存在を知ったことで彼はその捜査にのめりこんでいきます。リックには妻子がおり、最初はとても大事にしていたのですが捜査にのめりこんでいくうちに妻子を放置してしまいます。この点でロスもリックも似た者同士だったのかもしれません。
ストーリー後半になると、リックが「シルクロード」の利用者になりすまして、ロスと接触を図ろうとします。しかし、リックの行動はDEAの誰にも認められておらず、独断専行の形になってしまい、それがリックを思わぬ方向へ向かわせてしまいます。一方、ロスは少しずつ捜査の網にかかり始め、顔面蒼白の状態で理性を失っていきます。闇サイトの主であるロスはともかく、捜査する側のリックも次第に悪党に近くなっていった点は狂気に満ちていて怖かったです。
インターネットが発達して、どんどん自分の理解の範疇を越えていっており、本作の闇サイトの存在を本作で初めて知ったのですが、必要以上にネットに関わりたくない気持ちが強まりました。現在でもこんなサイトあるのだろうか?作品としては人の狂気的な部分が良く出ていてなかなか面白かったと思います。
鑑賞日:2024年8月1日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2024年2月1日)