緑

アレックス STRAIGHT CUTの緑のネタバレレビュー・内容・結末

アレックス STRAIGHT CUT(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

妊娠発覚したばかりの女性が今彼と元彼を侍らせて
クラブに遊びに行ったら帰りにアナルレイプされて
性的ではない暴行も受けて救急車に乗る羽目になり、
ショックを受けた今彼の犯人探しに付き合わされていた元彼が
犯人をやっつけてお縄頂戴、
しかし人違いだったというひどい話。
要素が多すぎて、
取り留めなく感想がだだだ漏れになる作品。

「時はすべてを破壊する」ではなく、
「ノエは登場人物のすべてと、観客の目を破壊する」ではないかと!
セックス・ドラッグ・バイオレンス&点滅。
スローモーションを観るとペキンパーを思い出すように、
点滅を観るとノエを思い出す体になってしまった。
目を閉じていてもチカチカ!

逆順だったオリジナルを時系列にして、
無言や無音の場面+アレックスがお腹を撫でるシーンをカットしたのが
このバージョンらしい。
オリジナルより格段に観やすい。
2本連続で観たけど、
こっちだけでよかった。

事後の眠りから目覚めて戯れるアレックスと今彼。
唾をペッと掛けてくる彼氏ってどうなの。
おフランスではありなのか?
アナルに入れたいという彼氏の戯言がまさかの伏線。

ここでアレックスはアナルバージンだと思ったんだけど、
レイプシーンでわからなくなった。
アナルバージンならあんなすぐに入らないだろうから、
過去には使っていたことがあるのかもしれない。
もしくは犯人がかなり細身のナニの持ち主で、
且つ先走りダラッダラだったか。

レイプ後にアレックスの顔を蹴りまくる犯人。
金持ち嫌いのミソジニスト。
罵りの言葉がすべてこれ。
ゲイで貧乏なことが物凄くコンプレックスなんだろうなぁと思うも
やってることが酷すぎて全く同情はできず。

9分間もの暴行シーンは
ほぼ引きの画でポルノっぽさは排除され、
肉体が強調される体位でもなく、
ひたすら凄惨だった。

被害に遭ったときのアレックスはノーブラで乳首クッキリの薄いワンピース。
でもこの犯人ならアレックスが厚着していても
ひん剥いて襲ったと思う。
そんな恰好で出歩いているからそんな目にと
日本なら言われるだろうが、
おフランスではどうなのか。
ナイスバディの別嬪さんなので
あの姿は余計に潔く恰好よく見えたのだけど。

遊びに行く道中、電車の中で
アレックスは自分と付き合っているときはイかなかった、
どうやったらイくんだと問いまくる元彼。
周囲を多少気にする今彼。
このシーン、普通の電車でのゲリラ撮影で、
会話はアドリブだったのだとか
(乗客の目線がカメラに向いたりなどで、
何度も撮り直したとも
映画館に掲示されていた記事にあった)
そりゃ人目も気になりますよね。

そういう常識は持ちつつも唾を掛けてくるわ、
人の財布で酒を買いに行こうとするわの今彼と、
女をイかせるにはと電車内で大声で話しまくる元彼。
一途でドラッグやらない元彼のほうがまだマシかな。
でもどっちも大概。
アレックス、見る目ない。
オリジナルを観ていたから妊娠を喜ばしく捉えていることが理解できたが、
こちらだけだと妊娠発覚のときの微妙な笑顔を
困惑の表情と解釈してしまったかも。
もしかしたらそういう意図でカットしたのかな?

元彼のついてなさ加減がすごい。
犯人探しに消極的だったのに結果的に人違い殺人犯。
女をイかせるも何も行く先は刑務所。
付き合いがよすぎる故に貧乏くじ引く人っているわー。

上級者向けゲイクラブで
通りすがりのアレックス今彼に
ダブルフィストファックを懇願していた彼の
背景が気になってならない。
緑