目が覚めると狭い空間の中にいることに気付いた女性リズ。しかし、リズは記憶を失っており、どうして自分がここにいるのか、自分が誰かもわかりません。そしてこの空間=極低温ポッドから外の景色が見えないため、自分がどこにいるのかの手掛かりも無し。
酸素がなくなる前に脱出しなければなりませんが、このポッド内の酸素は残り僅かであることをAIミロによって知らされる、というお話です。
これは究極のワンシチュエーション。映画のほぼ全てがその狭いポッドの中で進んで行きます。どれくらい狭いかというと、寝た状態から上半身を起こして座ることができないほど。
AIのミロなど声のみの出演は他にも数名いますが、姿が確認できる登場人物はリズのみという、かなり攻めた設定です。
リズがAIミロに様々な質問をしたり、インターネット検索により、徐々に手掛かりを得て記憶をたどり寄せていきます。果たしてリズは酸素が残っているうちに脱出できるのか?
映画冒頭ですでに酸素の残りは30%ほど(だったと思います)。リズはもしやこのポッドは地中に埋められているのでは?と疑い始めます。
もし地中だったらもう助かる見込みはほぼないのではないか?いや、それとも誰も来ないような奥深い森の中とか?と観ているこちらも、悪い方へと想像が膨らんでいきます。
画面に映るのは主演のメラニー・ロランだけ。彼女一人で100分持たせる演技力が素晴らしい。
狭い空間だけでストーリーが進んで行きますが、スリリングで丁寧な展開で100分という短尺でサクッと気軽に楽しめました。