ごんす

CUBE 一度入ったら、最後のごんすのネタバレレビュー・内容・結末

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

昨年から僕は日本映画当たり屋大学(仮)に通っています。
つまらない、クソなどと言われていたり明らかにまずい作品と分かっていながら鑑賞しそれをレビューすることについて学ぶ学校です。
フィルマークスでも「あ、この人卒業生の方かな?」と思うことや「一緒の授業取ってますよね?」と在学生の方と出会うことも。

学費めちゃくちゃ高いです。
他の私立大学の5倍くらいします。
そんな品の無い学校に行くなら縁を切ると家族や友人は僕の元から去っていきました。

辛く厳しい現実に何度も退学を考えましたがある授業で教授は熱い眼差しでこう言いました。
「つまらない映画を観ると映画観賞がより豊かになる。
君たちがここを卒業する頃には何てことない普通の映画を観て涙を流すようになるし、どんな映画からも必ず良き所も見付けられるようになる。
僕たちのやっていることは決して無駄なんかじゃない。」

教授の言葉に感銘を受けた僕は家に帰るとそれが至極全うな行為であるかの様に穏やかな気持ちで『CUBE 一度入ったら、最後』を再生したのです…



恐らく近年の菅田将暉主演作で一番評価の低い本作。
オリジナル『CUBE』もそこまで好きではないけれどあれはちゃんと作られていたんだと感心する本作のいいかげんさ。
企画が途中で頓挫しそうになったのを今からやめることはできないから…と強引にやってしまった感が凄い。

もう絶望的にトラップがショボいし、ダサい。
何よりマズイのはCUBEじゃなくても良さそうな話になってしまっていること。
“死のトラップが仕掛けられてる立方体だらけの密室に閉じ込められてる”って相当やばい状況なのに皆そんなにストレスになってなさそうだ。
顔色も良い。
吉田鋼太郎もお肌のコンディション完璧!
全体的にスタイリッシュなのが寒い。
あのお揃いの着させられてる服とか菅田将暉着るとお洒落だし。
ずっと皆大丈夫そうに見える。

明らかに元々変な人が集まってるのでトラップとかなくても揉めるんじゃないかと思ったけど予想以上だった。
全役者のスケジュール勿体ないなーと思ったけど岡田将生は相変わらず最高だった。

そういえば自分はワンシチュエーションスリラーと呼ばれるような作品があまり得意ではないのかもと思い出す。
傑作とされる『ソウ』もあまりハマれなかった。
しかし本作を観たおかげで『ソウ』は凄いんだなと理解できたしオリジナルの『CUBE』『GUILTY』『search』あたりの映画は好き嫌いは別にしてアイデア溢れる素晴らしい作品だったのだなと気付く。
どの作品もワンシチュエーションの設定の面白さを生かそうと工夫しているではないか。
それに比べ本作は設定を全く生かそうとしておらず、トラップ発動により極限まで追い詰められた人間はどうなってしまうのか、、という所は全無視で最初から馬の合わない者同士で言い合いをして予想通りの人が暴走。
マジでCUBEじゃなくても良い。
この個性的なメンツの中でさらに明らかにお前変だなって人は“あちら側の人間”というクソダサい結末が待っている。

中田秀夫監督の『インシテミル』が大好きな人におすすめ。
誉めポイントは岡田将生の演技と内容がつまらなすぎるので観ていて不快な思いとかはあまりしないこと。
流し観するには役者の叫び声がうるさいので流行りのタイパを意識する人はスルーです。
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