ウルフガー

CUBE 一度入ったら、最後のウルフガーのレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
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アマゾンプライムにて視聴。理解に苦しむ映画だった。オリジナルの「CUBE」を観たことがないのでは? としか思えない出来。日本風にアレンジしたのはまあいいと思った。それが翻案する意味でもあるので。緊迫感のない演出と後半の意味不明さが致命的だ。わざわざ浅い話にしている。

役者さんは皆良い。極限状況に置かれているという感情を維持しながら無理のある脚本、セリフを言わなければならないという課題をこなしつつ、各々の持ち味をちゃんと出している。これまでそんなに魅力を感じなかったけどこの映画では良いなと思う人が何人もいた。

ダメ出しすると際限がないので一番重要なところだけを言うと、CUBEから脱出する流れで人間性が自ずと現れてきて、ドラマが展開し、それが社会の縮図と見えるという構成であるからこそ活きる舞台設定が、CUBEから脱出することを差し置いてドラマをやろうとしているため、意味不明になっているところだろう。

CUBEが主人公にそれまでの人生を反省させるための装置になってしまっている。CUBEが未知のものであることをいいことにこうまで作り手の都合で変えられたら、オリジナルとの違いうんぬんではなく、観ていて興醒めしてしまう。神秘的な機構と人間の対比も何もない。
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