いくつもの層になっている構造であるが故、途中誰に感情移入すればいいのかわからなくなり、初めのクライマックスでは笑ってしまったのだが、基本的にはコメディの要素の強いクライムサスペンスだと思う。
高齢者の後見人となり財産を狙う悪徳業者が主人公であり、ピカレスクロマンとも言えるかもしれない。それを阻むのがマフィアであり、悪同士の潰し合いになっていく様はシリアスながら軽快で、そしてどこか笑ってしまう。
金や名誉などどうでも良く、むしろ負けないということだけに執着する主人公に、やはりキャラクター的なところまでしか思えなかったのは残念。ただ展開の面白さや、ロザムンド・パイクの存在感は素晴らしかった。
