ゆずきよ

パーフェクト・ケアのゆずきよのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
3.8
これも少し前にフォローさせて頂いている方のレビューを見てチェックしていた作品の1つ。
100%共感不能ってキャッチフレーズめちゃくちゃ惹かれます。

物語は、やり手の後見人として働くロザムンド・パイクは詐欺まがいの手法で顧客を増やしていた。そんな時とある富豪の老婦人を違法な手口で顧客にしようとする所から始まる。
先ず最初に声を大にして言いたいのはここで登場する後見人(日本だとケアマネジャーの様な役割も担っている)のは悪徳だという事。
中には酷い人もいるけれど日本では勿論違法だし在宅医療や介護制度はもっとちゃんとしています。
海外でどうなのかは知らないですが要介護になったからってすぐに後見人が必要なわけでも無いですし。
そこの部分を変に勘違いはして欲しく無いです。
私本当に子供と高齢者を食い物にする犯罪だけは絶対に許せないんですよ。
と言ってもこの映画の本質はそこじゃないです。
いつものやり方で罠に嵌めようとしたらその人がとんでもない人だったという所からが本題です。
前半の流れのままでどう展開するんだろうなんて思っていたらピーター・ディンクレイジが出て来てからめちゃくちゃ面白い。
金銭の絡む駆け引きや屁理屈合戦のような頭脳戦も良かったし時には強引な手段を用いたりもしてどう収めるのだろうと釘付けでした。
ちょっとご都合主義過ぎるのが気になる所ではありますが。
1人助かるのは偶然でも2人続いたらそれは不手際だよ。
悪党対悪党の構図は前評判通り全くどちらも応援する気になれないし共感も全然しないのだけれど決着の落とし所も良かったです。
ラストシーンに関してはまぁそうなるかってのと伏線回収が微妙過ぎるのを差し引いたとしてもあっさりだなぁという印象。
コース料理の最後に冷製スープ出されてもすっきりはしないというか普通に紅茶飲みたい。

介護・医療の現場にいると心無い言葉を浴びせられる事も少なくありません。
だからこそ利用者様には必要以上に清廉潔白でいなければいけないと思います。
でもボランティアでは無いのでそこに報酬が発生する以上は出来る事出来ない事の線引きはしないと。
という様な映画なのかと思っていたらガッツリクライムサスペンスでした。
ウナギだと思って食べたアナゴも結局美味いから良いわみたいな映画です。
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