このレビューはネタバレを含みます
映画のスプラッターシーンが犯罪を誘発するとしたら、その検閲をしている担当者がもっとも毒されているのではないか? 検閲官のあなたたちが正気でいられるのだったら、検閲でのカットは無意味なのでは? という当然の疑問を、検閲官を狂わすことで変種の復讐をしているような作品。
女性監督によるホラー映画を収集しているので、本作も怖い妄想あり、露骨な首吹っ飛びシーンもありで、非常に良い具合。検閲官のイーニドは幼い頃に妹が行方不明になっていて、白いドレスで遊んでいる少女たちはジャン・ローランを彷彿とさせる。妄想と思ったら現実だったシーンの、イーニドの驚きは、そりゃビックリするだろうというもので大変良かった。