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14歳の栞のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

14歳の栞(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

本当よくみんな撮影に承諾してくれたなと思う。親御さんや本人全員に校正出したりしたのかな。製作方法もかなり気になる。

冷静に聞くとなんてことないのに全てが大事件な時期で、それはそれは青くて痛くて。

思ったことそのまま生の状態で出す14歳って、本当言ってる言葉も真っ直ぐで刃物みたいで、でも言葉の裏に色んなものを秘めてる子もいれば、後悔してる子もいて、なんか漠然と人間のままならなさみたいなものも実感した。

「桐島」を見たときみたいな感じで、自分はこのクラスの中にいるのかなとか思って見てたんだけど全然いなかった。知れば知るほどいなかった。そもそももし自分がこの子たちと同級生でもこのクラスにはいないと思った。それはおそらく演出がほとんどないから、当たり前だけど人間って一人一人全然違うんだなということを悟ったから。インタビューではクラスに対する印象と自分の性格だったりを答えているだけで、その子の休日に密着したりもしてるから自然と仲良い子だったりが浮かび上がってくるけれど、決して生々しく派閥みたいなものが浮かび上がってくる編集ではなかったから。
「もう少しこのクラスでいたい」「明るいクラスだと思う」という子もいれば「自分を殺してる」「友達はリセットする」って言ってる子もいるのが面白かったし、ホワイトデーの告白のシーンは14歳にしか言えない言葉で伝えてるのがピュアッピュアでちょっと泣けた。
「大人になっても忘れたくない気持ちは、アイスを食べてるときと、好きな子とLINEや電話をしてるとき」なんかこの頃にしか出てこない言葉だな。

自尊心を削り削られる時期だからやっぱネガティブなことを言う子も多いんだけど、どうか今好きなものを好きなままでいて欲しいなと思った。

製作陣のインタビュー記事などもあまり出てないから想像でしかないんだけど、冒頭の動物のアップが連続で出たあとにクラスの中でも背が高く可愛い子を最初のアップにしているような気がして、その意図は少し知りたいと思った。学級委員とかでもなさそうだったし。この子が選ばれることでクラスが変なムードにならない子を選んだのかな。クラスの子たちの推薦だったりするのかな。

何人かが口々に「早く大人になりたい」って言ってたけど、本作を見て自分も14歳の頃を思い出してみて、一応大人と言われる歳になった今も大人かどうかわからないと思った。
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