Finn

PASSING -白い黒人-のFinnのレビュー・感想・評価

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)
3.5
白人だと言い張れるほど色の薄い肌を持つ2人の黒人女性。異なる環境に身を置く2人の交流から人種差別問題を描く作品。
Passingを"白い黒人"と訳したところが興味深い。

白人になりすまして白人と結婚までして生きるクレアと、都合よく白人になりすましながらも黒人社会で生きるイレーネ。
こういう人たちにスポットを当てた作品って他になくて興味深かった。時代や厳しい差別を考えると、どちらの選択も間違いじゃないなと思うと同時に、難しい問題だなと思う。

全編白黒で描かれているけど、だからこそ逆にグレーに見える部分があって、そこに「世界は白と黒じゃない」っていうメッセージがあるのかなって個人的には感じました。

クレアの転落について、事故だと言う黒人仲間たちと「そうだろうな」という白人警察。このやりとりがアメリカの黒人差別を物語ってた気がする。

イギリスに住んでたとき本当にいろんな肌・髪・目の色の人に出会ったけど、不思議なもので、黒人のルーツがなくても少し肌の色が濃い人もいれば、青い目で黒髪の人もいたり。人種って白とか黒とか黄色で分けられるものじゃないって心の底から思ったのを覚えてる。
肌の色でいまだに差別があるのら悲しすぎるから、早くなくなってほしい。

人種差別そのものに焦点を当てていないけど、メッセージは強く伝わってきて考えさせられる作品でした。
Finn

Finn