たき

ひらいてのたきのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
3.5
もちろん山田杏奈目当てで観ました。

愛情枯渇症候群に罹患したひとの典型的なマニューバを誇るわけですが。
そこまで典型的ではないか。
母はやさしいし、クラスでのステータスはそれなりだし、いったいなにが足りないのか、と思わせるところがおそらくミソであり巧い。
おかげでこの子の真意はいったいなんなのか、と終盤までハラハラどきどきさせられてしまうのですな。

よくよく画面を見据えてみたら、父はいないし、友人関係は表層的なものだし、そら枯渇するわあっぷあっぷするわってなもんで、ここにきて「ひらいて」というタイトルの意味が明確になって参ります。
けどちゃんと顔を上げて素直に周囲を見渡してみれば、ほしいものはそこかしこに転がっているものなのですな。
だって爪のかたちだけは同じなんですもん。まったく同じことばなのに、冒頭と終盤とでまったく正反対の意味合いとして愛には伝わってるような気がいたします。
美雪のそれは、たとえそれが相手のことを慮ってのものに寄りすぎだったのだとしても、受け入れてくれたことは、確かな愛以外のなにものでもないわけで。
たとえの父親という鏡写しの反面教師に出会ったのもでかいですなきっと。

主人公の名前が、とにかく皮肉めいているなあ、と思いつつ、でもつけるならもうそれ以外にはない名前。
つくづくひとは、誰かに愛されなければ(気づくことができなければ)、誰かを愛することができないのでありますな。

山田杏奈。とにかく山田杏奈。ビジュが大爆発してませんか。なんですかこれ。何が起こってるですかこれ。
とりあえずしょっぱなから山田杏奈が坂道的に踊り狂ってる時点で星3億個は進呈待ったなしといいたいところなのではありますが、肝心の本番アイドルコスでのガチダンスがなかったので自重しました。
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