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ひらいてのmamecoのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
4.2
高校生日常映画のこの質感、最高。

愛の、ぱっと見、華やかなのにいつもどこか気だるそうで投げやりで瞳に闇ある感じが良き。でも美幸もたとえも、その他どの高校生だってなんかしらの暗い部分を抱えてて、視野が狭くていまある目の前のことしか見えてなくて、見て見ぬふりしてたりダダ漏れしてたり諦めてたり、あの年頃のあの不確かで危うい感じを観るのがすごく好き。
それはやっぱり、私の10代の記憶の空気感と重なる、邦画だからなんだろうな。

たとえは、愛の欲望に対して自己中心的な部分を父親と同じ類の人間だと軽蔑していて、でも結果その傲慢さが、美幸が蓋をしてた無我夢中で求める幸福感を触れ合う快楽から教えてくれたんだろうし、愛だって美幸とのあの瞬間はきっと自分をさらけ出してた。たとえも蓋をしていたドロドロした部分を無理やり愛にこじ開けられて、やっと言葉に出来ていて。

10代はとにかく人とかかわってぶつかり合ってぐちゃぐちゃ悩んでこい!って、急に親目線で息子たちにつたえたくなった(やたら内向的な息子たちに)したら自分の中で何かしらが開くんだよね、きっと。

そして山田杏奈ちゃん、あんな演技良いとは知らず他作品も探して観てみよう。
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